僕の家で飼育している昆虫の紹介をしていきたいと思います
音でコミュニケーションをとる昆虫が非常に好きで毎晩虫の音をBGMにしながら眠りについています
それでは、さっそくタイワンシリーズ(本州でも生息しています)からいきましょう
タイワントビナナフシ
大学1年の時に岐阜県の里山の側溝で捕ったものから累代飼育している
つかむとごぼうの香りがする
単為生殖をする
ナナフシ類は卵を落下方式で産む種が多いがこの種は粘着方式で飼育ケースの蓋の隙間などに良く産卵している
この種は狙って捕れるというよりは偶然とれるものなのでかなりレア度は高いのでは
タイワンクツワムシ
去年熊野で捕った個体の生き残り
この個体は♀
最近まで♂も1個体いて鳴いていたがとうとう寿命をまっとうしてしまった
小学生のころから最もあこがれていた昆虫であり熊野で鳴き声を聞いた瞬間は夢のようだった
鳴き声は「ギー、ギー」と十数回前奏を奏で、その後「ギュルルル・・・」と鳴き続ける
一方でクツワムシは前奏がなく、抑揚をつけながら鳴き、音量も大きい
クツワムシとの違いを他に挙げると、翅が長くよく飛ぶ、出現期が一か月ほど遅い、南方系の種である、♀の前翅の黒斑がかっこいい、などがある
卵を沢山産んでくれたので今後の孵化に期待
タイワンエンマコオロギ(幼虫)
鳴き声はエンマコオロギと異なり「リー、リー、・・・」と単調に鳴く
またこちらの種のほうが声色が爽やか
去年熊野で捕った個体の子孫
合計で200匹以上孵化したが今は2個体しか生き残っていない
死亡原因として挙げられるものは以下の4つである
1.餌
2.冬の寒さのため
3.タイワンエンマコオロギ以外にエンマコオロギの♂1個体と一緒に飼育していたために孵化した個体は全て交雑個体で生き残ることは出来ない
4.病気
孵化した個体のほとんどが♀であったことがかなり気になるところである
この種は年2化で初夏に出現し始めるので今年は初夏に熊野に行き採集した個体を使ってこの真相を解明したいと思う
クチキウマの一種
一種としたのはこの種は移動能力が弱く、深い森林に生息するため地域ごとに幾つかの個体群に分かれているため
採集場所は鈴鹿山脈の奥地
中齢幼虫で越冬する
この種は興味深い生態を持っており、タッピング(脚ではやらないので正確にはタッピングと呼ばない)を行う
どういった行動をするかというと、夜間の活動期に♂成虫が腹部後端を打ち付けて「ダダダダダダ」と振動音を出し、♀が「ダダダ、ダダダ」と答える
現在♂3個体が成虫になり、♀3個体は幼虫である
通常♂は2週間ほどで性成熟し、タッピングを始めるが夜間の気温がまだ低いのでもう少しかかると思われる
尚、室内で飼育しているため成長が速いのであって、野外では初夏に成虫になる
クチキコオロギ
本州最大のコオロギ(南西諸島のものはさらに大きい)
大学1年の時に鈴鹿山脈の低地で採集したものを累代飼育したもの
この種も小学生からのあこがれで、熊野などの海岸林にしか生息していないと思っていたために鈴鹿山脈で鳴き声を聞いたときは一瞬耳を疑った
その後自分の通っていた高校の周辺の森にも生息していることが分かり、さらに驚いた
「グリー、グリー」と寂しげに鳴く
盛りを過ぎたキリギリスの声にも似ている
一般的なコオロギと異なり、樹上生活を行う
体は扁平で、樹の隙間に隠れるのに都合の良い形態となっている
本州の南部に行くと個体数がどっと増える
飼育条件によっては鳴きの頻度が下がってしまうため、いかによく鳴かせるかが今後の課題である
クラズミウマ
よく便所コオロギと言って嫌われている
雑食性だがかなり肉食性が強く、たまに死んだ直後の昆虫などを与えるとすかさずやってきて食べてしまう
平地の古い家の床下などに生息しており、図鑑などでもしょちゅうマダラカマドウマと間違えられているがまったくの別種である
秋以降に人家に侵入することが多い
繁殖力が強く、共食いも滅多にしないため飼育は容易である
カブトムシ(幼虫)
高3の時に鈴鹿山脈から持ち帰る予定はなかったが逃がすのを忘れて持ち帰ってしまった♀から累代飼育したもの
現在幼虫が30匹以上はいる
これ以外にも飼育していますがそちらの紹介はまたの機会で
文章・写真 藪田